【保育園での性被害】子どもを性被害に巻き込まないための『性教育』について考えた。

手をつなく男女の子どもの写真

こんにちは。だっこです。本日は、いつもの記事と少し違った角度テーマで書きたいと思います。それは、「性教育」。私自身、妊娠・出産を得て子を持つ親になり、いつかその時が来たら、できうる限り率直に娘と向き合い、しっかりと伝えたいと思っているテーマです。

ご家庭によっては、性教育は学校に任せる。成長に従い自分で情報を得ていくことを静観する。という親御さんもいらっしゃると思います。自分の時代がそうだったように、薄眼を開けてこどもの性への目覚めを見守っていくのも、ひとつのあり方かもしれません。

しかし、そうした知識を得る前に、親の目の届かぬ場所でこどもが性被害にあったら。また、メディアや正しい性教育を受けていない他のこどもたちから歪んだ性の情報を植えつけられた時、我が子が性被害の加害者になってしまったら・・・。

「まだ子どもなのに、心配しすぎ」という声もあるかもしれません。しかし、実はこれは全くあり得ない話ではないのです。

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きっかけは、Twitterに投稿されたある“事件”。

「4歳女児の母 @lPHWaCkAIZyifHB」さんのTwitter
https://twitter.com/lPHWaCkAIZyifHB/status/1193723705416749056

2019年11月9日。Twitterに「4歳女児の母親」を名乗るアカウントがあるツイートを投稿しました。

それは、同じ保育園の男児二人にレイプまがいのいたずらをされ、陰部から出血が止まらないという娘の話でした。(すでに最初の投稿は削除されています)

「4歳女児の母 @lPHWaCkAIZyifHB」さんのTwitter投稿画像
「4歳女児の母 @lPHWaCkAIZyifHB」さんのTwitter投稿画像
「4歳女児の母 @lPHWaCkAIZyifHB」さんのTwitter投稿画像
「4歳女児の母 @lPHWaCkAIZyifHB」さんのTwitter投稿画像

女の子を持つ親としてぞっとするような話ですが、被害を受けた女の子は、幼なすぎるため医療機関で精密な検査を受けられず、体にどんな後遺症があるかもしれないまま。

4歳の子供の話ということで園からは加害者と話すことも許させず、事を大きくしたくないという対応で適当にあしらわれます。さらに、警察も法的な措置が取れる段階ではないと不介入。

このお母さんの話を読めば読むほど、胸の悪さとハラワタが煮え繰り返るような悔しさ、絶望を感じてしまいます。

このツイートは瞬く間に拡散され、子を持つ親たちから多くの激励や意見、共感、園や男児たちへの怒り、女の子と鬱になってしまったお母さんに心を寄せる言葉が送られました。

加害者が子どもという複雑さ。

わずか4歳の男児二人が監督者の目の届かぬ場所まで女の子を連れて行き、パンツを脱がせていたずらをするということに、多くの人が驚いたこの事件。しかし、これは決してあり得ないことではないと思います。

すこし、加害者の男児に視点をずらしてみましょう。

自分が子供の頃を思い出しても、小さな頃から「男女の体の違い」には興味がありました。まして、ませた男の子は女の子のスカートをめくったり女の先生のおっぱいを触ったりするのがごく自然な光景でした。

そして、それらの性的な興味は子どもながらの純粋な好奇心だけではなく、「なにかやましい秘密がある場所」という前提をはらんでいたように思います。

大人にとってそうであるように、子どもにとっても秘密は興奮のスパイスになり得ます。たとえそれが「性的な興奮」ではなくても、あるいは自分の「性的な興奮」にまだ気が付いていなくても。

今回の事件の加害男児も、そうした一見なんの罪もない「好奇心」から行動を起こしたという可能性もあり得ます。もちろん、こうした行動を取る子どもが家庭で性的な被害を受けているという声もあり、その可能性も否定することはできません。

しかし、いたって普通の家庭の普通の子どもが、「知りたい」「楽しい」に歯止めが効かなくなることで、「大人のみていない場所」で、「おとなしい女の子を無理やりに」襲う。

そんなことが、保育園という大人が大勢子どもを見守っている場所ですら実際に起こり得るのだと思います。

今回の事件は、加害者がなまじ子どもであるがため、園は(けして加害児童の精神的なケアをするためではなく怠慢から)ことを表沙汰にすることを拒みました。

つまりこの事件には、加害男児に性的好奇心の抑え方と責任の取り方、そうしなければいけない理由をきちんと教える大人が登場しません。(言うまでもありませんがそれは被害者の役割ではないことを添えておきます)

一線を超えたいたずらがゆるされてしまう。そのことは、被害を受けた女の子だけでなく、加害者の男児たちの人生にとっても、ある種の転機になるのではないでしょうか。

性被害を受ける未成年の多さを知っていますか。

幼い子どもをいつも見守り、性被害に限らず親である自分の手であらゆる危険を遠ざけてやることができれば、どんなに気持ちが楽になるでしょうか。

私自身、この一連のツイートを知って、娘を保育園に預けることが怖くなりました。

しかしそれは、働く親にとって現実的でないばかりか、一時的な安心にすぎません。肝心なのは、子どもたちがきちんと性について理解し、「自分の体」と「他人の性」を守ることを理解すること。そのために、「知の鎧」を授けてあげるのも、親の役割なのだと私は考えます。

一方で、こんな声をあげる人もいるかもしれません。

「幼児に性教育なんて早すぎる」

「今回の件はレアケースでしょう」

果たしてそうでしょうか。

性被害の加害者になるのは、いわずもがな、子どもばかりではありません。保育士や教師、警察官など、本来子どもを守るべき立場の人間が子どもを性犯罪の対象にする事件は、過去も現在も多く見られます。

2018年、Twitterでこんなアンケートが行われました。

りょうたっち。さんがTwitterで行なったアンケート
※こちらのアカウントはすでに削除されています。

これは、ある父親が女性アイドル暴行事件を受けてTwitterで行ったアンケートです。

「未成年の時に痴漢・性的いやがらせ・セクハラ等を経験したことがあるか」という問いに、約10万人以上が投票。「経験がある」と答えた人が約8割にもおよびました。

コメント欄には、幼い頃に自分が受けた性被害を打ち明けるコメントも男女問わずあり、匿名であるとはいえ、読んでいるだけで胸が苦しくなるような体験談が並びました。

実際に、下記のようなデータがあります。

平成27年版強姦・強制わいせつ 被害者の年齢層別構成比の推移|犯罪白書

引用:平成27年版強姦・強制わいせつ 被害者の年齢層別構成比の推移|犯罪白書

平成7年から26年までの強姦や強制わいせつなどの被害者の年齢推移を示すこのグラフは、オレンジが0〜12歳。紫が〜19歳まで。右に行くに連れ近年のデータになりますが、平成26年時点の未成年の性被害者の数は、「強姦」で40%以上。「強制わいせつ」で女性が約50%。なんと男性が約85%という統計が出ているのです。

しかし、これはあくまでも、「認知件数」であり、性被害を受けたものの、誰にも相談できなかった子ども、親が表沙汰にしなかった子どもも確かに存在しています。

上記のTwitterアンケートでは、そんな「見えない性被害」を打ち明けるコメントが実際に数多く寄せられていたのです。

早期性教育は娘に与えたい「知の鎧」。

日本ではたびたび、早期性教育の是非が議論になります。2018年、足立区の中学校で行われた性教育の授業では、授業で「性交」や「人工妊娠中絶」という言葉を使ったことに対して「不適切」だという声をあげた政治家が話題になりました。

個人的な意見をあげれば、子どもから「知の鎧」を取り上げるのはナンセンス。どんなに濁そうが誤魔化そうがいずれ通ることなのだから、できるだけ率直な言葉で、リスクだけでなくメリットも全て、正直に伝えてあげるべきだというのが私の見解です。

できれば、ケーススタディであらゆる立場の人の性を学べるのが良いでしょう。なぜなら、オブラートに包んだ「注意喚起」では、リアリティがなく、子供たちに真の経験から得た気づきが届かないから。

まあ、「どのように性教育を行うか」は各家庭の考えがあるため、持論はここら辺に。

肝心なのは、できるだけ早いうちから、「男女の体の違い」「自分の体の守り方」「他人の性の尊重」を親の口から子どもの目を見て伝えていくということではないでしょうか。

なにも、正直に話す=ダイレクトな言葉を使うと言う意味ではありません。

例えば、私は娘に物心がついたらまず、「水着で隠れる場所は他人に見せない・触らせない・触らない」から教えていきたいと思っています。

その過程でもし、「それはなんで?」という問いが生まれたら、「女性の体について」「その守り方について」親子で話ができるかもしれません。そのためには何を聞かれてもできるだけ正直に答えられるよう、きちんと準備しておくことも必要ですね。

そうは言っても、私はまだ親になって一年足らずの新人お母さん。周りの子育ての先輩に「性教育」について聞いてみたいとも考えています(インタビューでもしようかな)。きっと様々な立場や性別、年齢の違いで、違った答えが聞けると思います。

肝心なのは、子どもの性への好奇心を抑え込むことも野放しにすることもせず、悩みながらでも向き合い、同じ目線に立って話してあげることではないでしょうか。

「保育園での性被害」事件を受け止めて教訓を。

今回の事件をツイッターで読み、身震いしながら考えたこと。世の中には、「不可抗力」というものがあり、本人の意思に関わらず不幸な事件に巻き込まれてしまう人もいます。

しかし、「まさか幼い子供がこんなことをするなんて」というこの驚きと恐怖は、しっかりと現実として受け止め、このような事件を繰り返さないよう私たちは教訓を得なければなりません。

子どもが性犯罪の被害者にも加害者にもならないように、親として導ける数少ない方法のひとつが「性教育」だとしたら、私はきちんとそれを実践したい。「お友達にしてはいけないことをしない」。「たとえお友達でも体に触られて嫌だったら、声を上げて逃げ出していい」。ということを娘にはしっかり知っておいてもらおうと思います。

みなさんも、幼いお子さんと向き合い、まずは「男女の体の違い」「自分の体の守り方」「他人の性の尊重」についてお話をしてみませんか?

最後になりますが、辛い経験を勇気を出してツイートされたお母さんと娘さんの家族に平穏な日常が戻り、娘さんの心身が何事もなく元気に成長されることを祈っております。

この記事を書いた人
だっこ

趣味は料理。調味料。クラフトビール。特技は整理整頓。
食生活アドバイザー・フードアナリスト・食農検定2級取得など、
食に関する勉強が好き。夫テムさんの助けを借り、ブロガーに挑戦。
Twitterでもつぶやいてます。

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