【ペットのマイクロチップ義務化へ】メリット・デメリットから、装着方法や費用まで。体験談まとめ

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犬猫へのマイクロチップ登録が義務化!

マイクロチップ登録完了通知書と飼い猫のパッタイ。

こんにちは。だっこです。

昨日、2019年6月12日。動物愛護法改正案がいくつか可決されました。1つは、動物虐待の重罰化。

これまでの「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」が「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に。もう1つは、犬猫の生体販売の可能な週数が「生後七週」から「生後八週」に。

さらに、生体販売事業者のマイクロチップ装着が義務化されました(開始時期は現在未定)。

今回は、このマイクロチップ義務化とはなにか?個人的な考えを踏まえたメリットデメリット。さらに、具体的な装着方法や感想をお伝えしたいと思います!

マイクロチップとは?

マイクロチップは、ペット先進国のヨーロッパやアメリカで普及している、ペットの身分証明証のようなもの。

公益社団法人 日本獣医師会ホームページより引用しました
http://nichiju.lin.gr.jp/aigo/index.html#micro1

ものは直径2ミリ、長さ8〜12ミリ程度の円柱体。体内に入れても毒性や発ガン性がなく、劣化しにくい生体適合ガラスという特殊なガラスで覆われています。

これを、特殊な注射器を使ってペットの体内に入れることで、その子だけに割り振られた世界で1つのID番号を取得し、同時に身分証を身に付けることになります。

このチップはいわばメモリーカードのような役割を果たし、装着後、飼い主がペットの名前や飼育情報をデータとして登録することができるという仕組みなのです。

登録したデータは、埋め込んだ場所にリーダーで触れることで一瞬で読み取ることができます。

マイクロチップに登録できる情報は以下

●あらかじめ入っている15桁の個体識別番号(ID番号)

●飼い主情報:氏名・住所・電話番号・その他の緊急連絡先・FAX・メールアドレス

登録するペットの情報:名前・生年月日・性別・動物種・犬猫の種類と柄

ペットが体内にマイクロチップを装着していれば、外れたり事故の原因となる首輪は必要なくなりますよね。

また、電池がいらないので交換などの心配もありません。ちなみに通常マイクロチップの耐久年数は30年ほどだそうです。

マイクロチップ義務化のメリットは?

・飼い主を明確にし、捨て犬、捨て猫を減らす。

・災害時や平常時の迷子を見つけ、飼い主にペットを返還する。

↓↓↓

犬猫の殺処分数を減らせるのでは?

政府が義務化するというこのマイクロチップ。では、マイクロチップを義務化するメリットとはなんでしょう。

その1つは、捨て猫、捨て犬を減らすということ。空前の猫ブームの裏側には、飼いきれずに捨てられた野良猫たちの問題があとをつきません。

今後、マイクロチップを義務化することで飼い主を明らかにしておけば、容易にペットを捨てる人が減るとこが期待されます。

もちろん、外に捨てられるペットばかりではなく、飼い主の登録により責任感を助長することで、安易に保健所へ持ち込まれる犬猫も減少するかもしれませんよね。

もう1つは、飼い主とはぐれたペットを探し出すのに役立てること。

例えば災害時。東日本大震災では、飼い主と離れ離れになった犬や猫がボランティアによって多数保護されました。

たとえ災害で家を失い飼育が厳しくなったとしても、ペットと別れ生存もわからないままというのは辛いもの。首都圏直下型地震が30年以内に来ると言われているご時世。

連れて逃げられなかったペットがどこかで保護されていたときに、このマイクロチップはペットと飼い主の再会に役立つことでしょう。

また、災害のみならず迷子猫、迷子犬を探すのに役立ったり、保健所に連れ込まれた犬猫の飼い主が見つかりやすくなるというメリットもあります。

このように、マイクロチップを義務化することで、捨て猫捨て犬が減ったり、迷い猫迷い犬が減り、ひいては犬猫の殺処分数が減るのではないかと期待されているんです。

以下は全米獣医師が発表した、「迷子ペットのマイクロチップの有無による飼い主の元に戻れた率についての説明」の抜粋です。


全米獣医師会American Veteriany Medical AssociationのHPに掲載されているマイクロチップに関するQ&Aの9番目に、迷子ペットのマイクロチップの有無による飼い主の元に戻れた率についての説明があります。
(中略)
これによりますと、
犬の場合で無し21.9%に対して有り52.2%、猫の場合は無し1.8%に対して有り38.5%という大きな差が有るとの事です。マイクロチップ有りでも飼い主の元に戻れなかった理由は主に情報登録の不備で、正しい情報の登録と適切な更新が重要である事も併せて述べられています。
(同論文によればマイクロチップ装着ペットの実に42%で不備があり飼い主に連絡が取れなかったとの事で、その様な状況でも上記の様な大きな効果が有りました。
今回の法案通り登録と更新が義務化されれば、帰還率は犬90%以上、猫80%以上になり得るという事になります。)

ペット用マイクロチップを開発しているNITTOKUさんのホームページから引用しました
http://www.nittoku.co.jp/rfid/microchip/2019/06/04/%E5%85%A8%E7%B1%B3%E7%8D%A3%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E4%BC%9Aavma%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%B5%90%E6%9E%9C%EF%BC%9A%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%81%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B/

こちらの記事を見ると、迷子ペットの帰還率は、犬がマイクロチップなし21.9%に対してマイクロチップありが52.2%。

猫がなし1.8%に対しあり38.5%と、その効果が数字で実感できます。

さらに、記事によると、マイクロチップをつけていても飼い主の元へ戻れなかったペットの42%は登録データの不備が原因とのこと。

きちんとデータを登録していれば迷子のペットが発見、保護された場合にマイクロチップのデータで帰還する可能性はさらに高まりそうです。

マイクロチップ義務化のデメリットは?

・マイクロチップが読み込めない場合もある。

・チップのついていない動物の扱いについて、議論する余地がある。

私は、きちんとペットの飼育に責任を持ちたいと考えている人であれば、登録そのものにデメリットはないのではと考えています。

しかし、個人的に「マイクロチップをつけておけば大丈夫」という考えが普及することはデメリットになりうると思います。

実は、我が家でパッタイに装着する際にも説明を受けたのですが、マイクロチップには数種類のメーカーがあり、規格が違うメーカーのものだと読み込まないリーダーも存在するのだそう。

さらに、精密機械なのでときには「不具合で正確にチップを読み込めない」ということもありうるのだとか。

このような理由から、せっかくチップを埋め込んでいても、飼い主の元へ返還できない場合もあるということ。マイクロチップを過信しすぎるのは危険な気がしますね。

また、自分のペットに限らず動物愛護の広い視点で考えた時、

「マイクロチップが付いていない野良猫、野良犬は殺処分していいの?

という疑問も多く出ています。もしも全てのペットにマイクロチップが義務化されたら、それは「ペット」と「そうでない動物」を「仕分けする指標」にもなるわけです。

その点について、義務化はもっと議論すべきかなあと個人的には思います。

義務化の対象はペットショップなど事業者。

今回マイクロチップ取り付けが義務化されるのは、ペットショップなどの動物取扱業者に限られるそうです。

これにより、売れ残りのペットの遺棄のような事件が減ることが期待されますね。また、一般での譲渡や、すでに飼っている犬や猫に関しては、「努力義務」ということに落ち着きました。

マイクロチップ装着・登録の流れを確認。

様々なメリットがあるペットのマイクロチップ。ここからは、具体的な装着・登録の流れを見てみましょう。

どこでやってもらえるの?

マイクロチップの装着は医療行為になるので、動物病院でやってもらうことになります。かかりつけの動物病院で、マイクロチップの装着をしているかどうかを確認しましょう。

費用とその内訳は?

マイクロチップそのものは無料ですが、埋め込む費用と登録料がかかります。埋め込み費用は動物病院によって異なりますが、5000円前後のところが多いようです

また、チップに情報を登録する登録料として1000円を支払います。なお、引越しなどによるデータの変更は何度でも無料でできます。

ちなみに、自治体によっては補助金制度があるそうです。お住いの地域の動物病院で確認してみてくださいね!

登録までの流れ

ここからは、実際の装着〜登録までの流れです。

①動物病院で予約を取る。

②専用の皮下注射で首の後ろに装着。(普通の注射同様一瞬です。)

③病院で渡される日本獣医師会の「動物ID登録申込書」に登録したいデータを記入。

④同じく病院で渡される振込用紙を持って郵便局へ。登録手数料(1000円)を振り込みする。

⑤「動物IDデータ登録申込書」をAIPOに郵送。

⑥2~3週間で登録完了し、「登録完了通知」ハガキが到着したら登録完了!

ペットのマイクロチップの登録申込書と払込書。

写真は私が動物病院でもらった「動物ID登録申込書」の控えと振込用紙の説明書き部分。

私が登録した時も感じましたが、わざわざ郵便振込に出向いたり、郵送で書類を送ったりと、登録までの流れが結構めんどくさいのが難点です。このご時世、クレジット決済やネット申請でもっと気軽に登録ができるといいな〜なんて思いました。

でも、健康への影響は?副作用はないの?

マイクロチップは大きなメリットがあるとはいえ、大切なペットの身体に埋め込むもの。

健康への影響はないのでしょうか。

以下、公共社団法人日本獣医師会のホームページから抜粋しました。

日本国内で、動物の体内に装着したマイクロチップの副作用、ショック症状等についての報告は、今までに1件も寄せられておりません。諸外国の機関 (WASAVAやBASAVA) では副作用の症例を調べていますが、これまでに腫瘍が認められたという症例はほとんどなく、ワクチン摂取によるアナフィラキシーショック等と比較しても、安全性は高いと言えるでしょう。
体内での移動は、それぞれのマイクロチップメーカーが移動防止措置を講じていますが、まれに起こることがあります。しかし、皮下識内での移動のため、筋肉組織に入っていくものではなく、読み取りに必要な距離は確保されますので、それぞれのメーカーの作成しているリーダーの説明書に従って操作すればほとんどの場合は読み取れる範囲での移動です。

公益社団法人 日本獣医師会ホームページより引用しました
http://nichiju.lin.gr.jp/aigo/index.html#micro6

日本国内ではマイクロチップでの副作用、ショック症状は今までにないということです。

ただし、海外では事例がありそうな書き方ですよね。また、体内での移動がまれに起こるということも記載されています。もう少し詳しく調べて見ましょう。

マイクロチップの健康被害に関して、ペット用マイクロチップを製造しているNITTOKUの方が、ツイッターで言及しているのを見つけました↓↓↓

この方は、現在日本に流通しているマイクロチップが原因でペットに深刻な健康被害は起きにくいという趣旨でお話されていますね。

さらに、ご自身が開発されている新しいマイクロチップは、今現在日本で普及しているもの以上にに高い安全性を目指しているようです。

結局、マイクロチップのリスクに対しての考え方は飼い主さん次第というところでしょうか。

まあ、リスクといってしまうと避妊手術やそれに伴う麻酔などもペットの身体にとってリスクゼロではありません。

しかし、そちらのリスクはあまり議論されることがないのに、マイクロチップのリスクは(我が家も含め)、みんなが心配している印象があります。それだけまだ普及して間もないということなのだと感じます。

我が家では色々と調べて家族で相談した結果、つけるメリットがリスクを上回っていると考えてパッタイにマイクロチップを装着しました。

マイクロチップの注射は痛い?違和感はどう?その後のパッタイの様子。

窓辺のベットでくつろぐ愛猫パッタイ。

もともとパッタイは病院では猫をかぶって大人しいタイプ。注射をしても、よっぽど手荒な先生ではない限り痛がったり暴れたりはしません。

マイクロチップの装着時も、とてもおとなしく、まったく痛がらない様子で終えました。

確認のため先生がリーダーをかざすと首元でしっかり反応していましたが、首をもみもみしてみても触った感じは何も当たらず、本人も首を気にするなどの違和感を見せませんでした。

現在装着して1年半ほど経ちますが、相変わらず首元にはしこりなどの異変はみられていません。

登録変更手続きをやってみた。

我が家はパッタイと出会った2017年の冬に、かかりつけの動物病院でマイクロチップ装着をお願いしました。それから2年経ち、引越しをしたので登録内容を変更しなくてはならないことを失念。

今回の記事を書くにあたり、登録変更手続きをレポートしてみたいと思います。

なお、変更手続きは郵送とEメールの二種類を選べますが、今回は手軽なEメールでの変更をしてみたいと思います。

①「マイクロチップデータ登録完了通知書」のハガキを用意する。

②スマホで、登録データやID番号記載の宛名面の画像を撮影。

③ハガキに記載の日本獣医師会のメールアドレス(mc@nichiju.or.jp)に、Eメールでハガキの画像と変更箇所を送る。

④日本獣医師会からの返信、登録完了通知待ち

【6月13日追記】

⑤日本獣医師会から受付完了通知がメールで到着!

これで変更手続きは完了の模様。登録した時よりはイージーな手続きですね。でもやっぱり、WEBで変更フォーマットがあればもっと楽かも。とは思いました。

マイクロチップの装着は努力義務。でも、いいこともいっぱいあるので検討してみて!

今回は、ペットのマイクロチップに関して真面目にお話しさせていただきました。

今後日本には、首都圏直下型地震などの大きな災害が予想されています。私の実家は東日本大震災の津波が発生した地域で、当時実家で飼っていた猫が行方不明になったという悲しい経験があります。

そうした経験から、もしもの時のためという観点からも、私個人はマイクロチップの装着はとても有意義なことだと感じています。

しかし、まだ日本では普及し始めたばかりのマイクロチップ。絶対に危険なことがないとは言い切れないかもしれません。

今回、各家庭での義務化はされませんが、これを機会に家族の一員であるペットに、マイクロチップを装着するか否か、家族で話し合ってみることをおすすめします。その際は今回の記事が少しでも参考になりますように!それでは。

この記事を書いた人
だっこ

趣味は料理。調味料。クラフトビール。特技は整理整頓。
食生活アドバイザー・フードアナリスト・食農検定2級取得など、
食に関する勉強が好き。夫テムさんの助けを借り、ブロガーに挑戦。
Twitterでもつぶやいてます。

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