【ネコトコ記録】赤ちゃんと猫、一緒に育てて大丈夫?〜我が家の場合〜③妊婦とトキソプラズマについて

ネコトコ記録:猫を飼ってても子育てできる?大変なことや気をつけることは?我が家の愛猫パッタイと0歳児トコちゃんとの生活を妊娠〜子育てまで語ります。

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「トキソプラズマ」の影響って何?妊娠したら、猫を手放さなければならないの?!

このページにたどり着いた方の中には、私と同じように猫を飼っていて妊娠し、初めて聞いた”トキソプラズマ”という寄生虫のことで不安になっている方もたくさんいると思います。

それくらい、”トキソプラズマと猫”に関して、ネットには曖昧な情報が多いですよね。中には、妊婦健診で主治医に「猫を手放せ」と言われたという情報も。実は私も、妊娠初期にネットの情報に不安になり、主治医に「猫を飼っているのですが・・・」と申し出ました。内心不安な気持ちもありましたが、結論から言うと、「妊娠したら猫をを手放さなければいけない」と言うことは全くありませんでした。

ここからは、私のトキソプラズマ検査の実体験と、主治医や動物病院で聞いた「妊娠中のトキソプラズマと猫」についてお伝えしたいと思います。

トキソプラズマ、理解のポイント。

  • 妊娠中にトキソプラズマに“初感染”した妊婦の30%が、先天性トキソプラズマ症状を発症。
  • 初感染の週数によって、胎児への影響の重篤度が変わる。
  • 感染経路は、生肉、土、猫の糞の中のオーシスト(トキソプラズマの卵のようなもの)

そもそもトキソプラズマとは、妊娠中に初感染することで胎児に軽度〜重度の障害などを引き起こす可能性がある寄生虫の一種。つまり、妊娠前に感染したことがあり、もともと抗体がある人は胎児への影響はありません!また、母体が初感染した際の胎児への影響は、週数によっても重篤度合いが違うということです。

 ほとんどの症例において母体は免疫能正常で無症状ですが、妊娠中の初感染の約30%が経胎盤感染し、数%から20%に典型的な先天性トキソプラズマ症状(顕性感染:胎内死亡、流産、網脈絡膜炎、小眼球症、水頭症、小頭症、脳内石灰化像、肝脾腫など)を発症します。しかし、出生時無症状であっても、成人になるまでに網脈絡膜炎や神経症状(てんかん様発作、痙攣など)等を呈することがあり、トキソプラズマ胎内感染の実態は不明であるのが実状ですが、都市圏での頻度から少なく見積もって約0.05%(年間約600人)の発症と推定されています。 


 また、トキソプラズマの垂直感染率は妊娠初期では数-25%くらいであるのに対して、妊娠末期では60-70%と妊娠週数にともなって上昇しますが、先天性トキソプラズマ顕性感染(重症感染)の危険率は妊娠初期では約60-70%に対して妊娠末期では約10%と妊娠初期の感染ほど重篤化すると報告されています。 

http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/tokiso0504.htm

では、その感染経路はどんなパターンがあるのでしょう。生肉やレア肉に潜むトキソプラズマ。また、土や、トキソプラズマに感染した猫の糞に含まれるオーシスト(トキソプラズマの卵のようなもの)、を経口摂取することで感染するのだそう。

トキソプラズマはネコを終宿主とする人畜共通感染性の細胞内寄生性原虫です。ヒトからヒトへ感染することはありません。 


 先天性トキソプラズマ症の感染経路は図のようにまとめられます。加熱処理の不十分な肉(馬刺、牛刺、鳥刺、レバ刺、鹿刺、レアステーキなど)に生存するシストや、土やネコの糞に存在するオーシストが経口的に初感染(小腸粘膜から進入)することによって妊婦に寄生虫血症が生じます。その後トキソプラズマは血行的に胎盤に感染・増殖し、胎児の脳などの実質臓器に波及します。母体感染から胎内感染の成立までは数ヶ月を有するとされています。 

http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/tokiso0504.htm

このように聞くと、猫を介在して感染すること自体が稀だと個人的には思います。だって、猫のトイレを掃除して手を洗わずに食事をする人なんてあまりいませんよね(^^;)

トキソプラズマの検査費用や二次検査は?

私はこのトキソプラズマのことをネットで知り、妊婦健診にプラスできる、任意の検査を受けたことで陽性反応が出ました。当時はネットで調べた怖い情報ばかり頭にあり、まだ知識不足だったので、陽性反応にプチパニック。

でもすぐに主治医の先生から上のような説明があり、落ち着いて感染時期を調べる二次検査を受けることになりました。

その結果、感染したのはだいぶ前だということがわかり一安心。妊娠中の初感染は滅多にないことらしいのですが、結果を聞きに行くときはさすがに少しドキドキしました。

猫のことで不安になってこのページを読んでいる方にはまず、私と同じトキソプラズマの抗体検査を受けることをお勧めします。この検査は、採血でトキソプラズマに感染しているかどうかを調べ、感染していた場合は再び採血検査に進み、「Igm」という数値で感染時期を調べます。

妊娠中、初期および中~末期、もしくはトキソプラズマに曝露した可能性がある時期から2週間後に抗トキソプラズマ抗体(PHAまたはLA法)を測定し、ペア血清で4~8倍以上の抗体価上昇もしくは陽性化が認められれば初感染であると診断します。また、トキソプラズマ特異的IgM抗体が陽性であることは最近の感染の可能性が高いことを示唆しますが、疑陽性が多いことも指摘されています。 


 近年、専門施設にコンサルトすることによって
トキソプラズマIgG抗体のアビディティ(抗原結合力)を測定することが可能になりました。感染初期にはIgG抗体のアビディティは低く、時間とともに強力になっていくことから感染時期の推定することが出来ます。これによって妊娠初期にIgMが陽性であった妊婦の約80%は妊娠前の感染であると診断され、不必要な中絶や羊水診断、薬物療法が回避できることが報告されました。 

http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/tokiso0504.htm

私の場合は、妊婦健診の血液検査採血の際に自己申告をして、千円ほどの自己負担でこの検査を受けました。(今回のテーマとは逸れるので深くは触れませんが、万が一妊娠してからトキソプラズマにかかっていた場合は服用薬で胎児への感染を防ぐそうです)

ちなみに、私の地域ではこの検査は任意でしたが、自治体や病院によって妊婦健診の内容が違うようなので、かかりつけの病院で確認してみることをお勧めします。

母体が未感染だった場合の猫との接し方

ここで気をつけなくてはいけないのは、一時検査で陰性(未感染)だからと言って安心してはいけないと言うこと。何度も言いますが、トキソプラズマは妊娠中の初感染が危険なため、抗体のない妊婦こそ気をつけなければならないのです。

ここからは私の経験ではありませんが、抗体検査で母体が未感染だった場合、どのように猫と接すればよいのか動物病院の先生から聞いた話をまとめてみたいと思います。

まずは、猫をトキソプラズマ抗体検査に連れて行こう!

母体が未感染だった場合は、感染経路になりうる他の要因(土いじり、生肉食など)を避けて生活するとともに、飼い猫がトキソプラズマを持っているかどうかを知っておく必要があります。

猫のトキソプラズマ検査は人間と同様採血で行います。人間の場合と同じように、まずは感染しているかを調べ、陽性であればその時期を調べるために再検査、陰性であれば、感染してすぐは検査に反応が出ないため、やはり日を置いて再検査をするようです。

猫も感染時期を調べるのは、人間への感染経路が生きているかを知るため。実は、猫がトキソプラズマに感染していても、人間に感染る期間はごく短い間だけのようです。

そのわけは、人間への感染経路である猫の便中のオーシスト(トキソプラズマの卵)が、猫自身が感染してから2〜3週間の短い間しか排出されないため。もしも飼い猫がトキソプラズマに感染していても、直近の感染でなければ便中に感染源のオーシストは出ず、人に感染することはほぼないのだそう。

ちなみに、飼い猫が陰性だった場合、当然ですが人間への感染経路にはなりません。

しかし、猫を外に出したり生肉や獣、虫を食べたりすることで新たに感染する可能性があるため、完全室内飼いで口にする物をよく見ておくのが安全です。

我が家のパッタイは、完全室内飼育で人間の食べ物はあげなかったので、私の妊娠中の初感染はほぼないと思います。

猫が直近でトキソプラズマにかかっていたら慎重に!

そして一番気をつけなければならないのは、猫が直近でトキソプラズマにかかっていた場合です。この場合は、人間への感染源であるオーシストを猫が持っている状態。慎重にお世話をするか、他の家族に猫のお世話を任せることが推奨されています。

例えばトイレ掃除。猫の糞からの感染は、使い捨ての手袋でトイレ掃除をする。トイレ掃除の後は手をよく洗う。もしくは家族の誰かにトイレ掃除を任せる。などを徹底してください。中には大事をとり、妊娠期間中は実家に猫を預けたり家族の誰かにお世話を任せる人もいるようです。

個人的には過剰なスキンシップを避けて引き続き猫と暮らしそうですが、赤ちゃんに何かあるかもと不安に苛まれるよりは、きちんとお世話をしてくれるところに猫を預けるという選択もありだと思いました。

☑︎飼い猫のトイレ掃除時に手袋を使い、終わったらよく手を洗う。もしくは家族に掃除を任せる。

☑︎飼い猫を室内外にし、外の土からオーシストを持ち帰らせない。

☑︎口移しなどの過剰なスキンシップを避けて生活する。

妊娠中に知って起きたい「トキソプラズマ」についてまとめ!

  • トキソプラズマは、妊娠前に感染していれば胎児に影響しない。
  • 自分が感染していなかった場合、飼い猫の抗体検査と感染時期を調べる。
  • 飼い猫が直近で感染していた場合、お世話に必要な注意を払う。

こんなふうに、トキソプラズマの感染経路や飼い猫への対応を知っていれば、今、自分が何をすべきかがわかり、落ち着いて行動できますよね。また、猫そのものが危険な訳ではないとわかれば、無駄に不安になることもないのではないでしょうか?

私は上記のように、妊婦健診の際自分自身に古い抗体があることがわかったため、パッタイの方は検査にかけず、いつも通りにパッタイのお世話をしていました。トキソプラズマの影響がないのは当たり前ですが、念のためにお伝えすると今の所は生まれた赤ちゃんに障害などは見られていません。

今回は私の経験や主治医や動物病院に問い合わせた話をまとめつつ、猫飼いの妊婦がトキソプラズマと向き合う際の手順の参考のためにこの記事を書きました。

私自身の経験と、主治医から聞いたお話などをもとに記事にしています。専門家ではありませんので、検査を受ける際にはご自身の主治医にしっかりとお話を聞いてくださいね!

ネットで検索すると、怖い記事ばかり出てきてどうにも不安になっている方もいると思いますが、きちんと調べたり、正しいお世話をして入れば猫と暮らして大丈夫!ぜひ、愛猫と楽しくマタニティライフを送ってくださいね。この記事が少しでも、不安になっている妊婦さんのお役に立てれば幸いです!

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この記事を書いた人
だっこ

趣味は料理。調味料。クラフトビール。特技は整理整頓。
食生活アドバイザー・フードアナリスト・食農検定2級取得など、
食に関する勉強が好き。夫テムさんの助けを借り、ブロガーに挑戦。
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